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シンワのよもやま話~鉄則~

みなさんこんにちは!

シンワオートマチック株式会社の更新担当の中西です!

 

 

さて今日は

シンワのよもやま話~鉄則~

ということで、今回は、アルミサッシ加工における鉄則を「素材管理」「加工精度」「組み立て技術」「表面処理」「品質管理」「環境対応」の6つの視点から解説し、最高品質のアルミサッシを製造するための重要ポイントを深掘りしていきます♪

アルミサッシは、住宅・ビル・工場などの建築物において、断熱性・防音性・耐久性・デザイン性を向上させる重要な建材です。その品質を左右するのが、アルミサッシの加工技術です。

アルミサッシ加工は、高精度な切断・穴あけ・曲げ・組み立て・表面処理などの工程を経て製造されるため、各工程でミスが生じると、サッシの強度や気密性、断熱性に大きな影響を及ぼします。


1. 鉄則① 素材管理|高品質なアルミ材の選定と適切な保管

アルミサッシの加工において、最も重要な基本となるのが素材管理です。アルミニウムは、軽量で耐食性に優れていますが、傷がつきやすく、温度変化や湿度の影響を受けやすいという特性を持っています。そのため、以下の点に注意する必要があります。

① アルミ材の選定

  • JIS規格(日本工業規格)に適合したアルミ合金を使用(例:A6063-T5、A6061-T6)
  • 用途に応じた強度・耐食性・加工性を考慮した素材を選ぶ
  • 建築基準法や防火基準に準拠した材料を使用

② 適切な保管方法

  • 傷や歪みを防ぐため、アルミ材を立てかけず水平に保管
  • 湿気の多い場所を避け、乾燥した環境で保管し、酸化を防ぐ
  • 異種金属との接触を避け、電食(異種金属腐食)を防止

適切な素材管理を行うことで、加工精度の向上や製品の耐久性向上につながります。


2. 鉄則② 高精度な加工技術|切断・穴あけ・曲げの最適化

① 切断加工の鉄則|ミリ単位の精度を確保

アルミサッシの基本となる切断工程では、精密な寸法精度が求められます。

  • 高精度な切断機(NC切断機・レーザー切断機)を使用し、±0.1mmの精度を確保
  • 切断後のバリ処理を徹底し、組み立て精度を向上
  • 温度変化によるアルミ材の伸縮を考慮し、加工時の寸法補正を行う

② 穴あけ・切削加工の鉄則|気密性・水密性を確保

  • サッシの強度を維持するため、不要な穴あけを避ける
  • ネジ穴やジョイント部の位置精度を確保し、組み立て時のズレを防ぐ
  • ドリル速度や刃物の選定を適切に行い、バリや歪みを最小限に抑える

③ 曲げ加工の鉄則|強度と美観を両立

  • 曲げ加工の際は、アルミ材の肉厚や曲げ半径を計算し、割れやひずみを防ぐ
  • 曲げ加工後の補正を行い、組み立て時のズレを防ぐ
  • CNCベンダーを活用し、均一で高精度な曲げ加工を実現

3. 鉄則③ 正確な組み立て技術|精度と耐久性の向上

アルミサッシの組み立て工程では、フレームの直角度・密着性・耐久性が求められるため、以下のポイントが重要です。

  • ジョイント部の高精度な加工と締結(ネジ・カシメ・溶接の適切な使用)
  • 気密性・水密性を高めるためのシーリング処理を徹底
  • ガラスとフレームのクリアランス(隙間)を適切に確保し、膨張・収縮を考慮した設計を行う
  • ガスケットや防水テープを適切に配置し、風圧・雨漏りを防ぐ

組み立ての精度が低いと、雨漏り・断熱不良・変形の原因となるため、厳格な検査を行うことが重要です。


4. 鉄則④ 高品質な表面処理|耐久性と美観を向上

アルミサッシの表面処理には、耐食性・耐候性・デザイン性を向上させる目的があります。代表的な処理方法には以下があります。

① アルマイト処理(陽極酸化処理)

  • アルミ表面を酸化被膜で保護し、耐食性を向上
  • シルバー・ブロンズ・ブラックなど、多彩なカラー展開が可能

② 粉体塗装・フッ素塗装

  • 耐候性が高く、沿岸地域や高湿度環境に適している
  • 均一な仕上がりで、色ムラを防ぎ、美観を向上

③ 樹脂複合サッシとの組み合わせ

  • アルミと樹脂を組み合わせたハイブリッドサッシで、断熱性を向上

表面処理を適切に行うことで、腐食・退色・傷つきを防ぎ、長期間美観を維持できます。


5. 鉄則⑤ 品質管理と環境対応|持続可能なアルミ加工技術

① 品質管理の徹底

  • 加工精度の測定(ノギス・マイクロメーターによる検査)
  • 組み立て後の強度試験・気密試験・耐風圧試験を実施
  • ISO9001などの品質管理基準に準拠し、一定の品質を維持

② 環境負荷の低減

  • リサイクル可能なアルミ材の活用
  • 省エネルギー加工技術の導入(レーザー加工・電解アルマイト処理の省電力化)
  • VOC(揮発性有機化合物)の排出削減を意識した表面処理技術

6. まとめ|アルミサッシ加工の鉄則を守り、高品質な製品を実現

アルミサッシ加工では、素材管理・精密加工・組み立て・表面処理・品質管理の各工程で高い精度が求められます。

ミリ単位の精度を確保し、気密性・断熱性を向上
表面処理技術を最適化し、耐久性とデザイン性を両立
環境負荷を低減し、持続可能なアルミ加工を実現

これらの鉄則を守ることで、最高品質のアルミサッシを生み出し、建築業界のニーズに応えることができます

 

 

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シンワのよもやま話~アルミサッシの歴史~

みなさんこんにちは!

シンワオートマチック株式会社の更新担当の中西です!

 

 

さて今日は

シンワのよもやま話~アルミサッシの歴史~

ということで、今回はアルミサッシ加工の歴史やその背景、技術の発展、そして未来の展望について深く掘り下げ、日本の建築とアルミサッシの関係を探ります♪

住宅やビルの窓枠、ドア、カーテンウォールなどに欠かせない「アルミサッシ」は、現代建築において重要な役割を果たしています。しかし、その技術が確立されるまでには、さまざまな素材の変遷や加工技術の進化がありました。


1. アルミサッシが登場する以前の建具の歴史

① 伝統的な木製建具の時代(~昭和初期)

日本の建築において、古くから使用されてきた窓や建具の素材は木材が中心でした。

  • 奈良・平安時代:宮殿や貴族の邸宅では、板戸や障子が主流。
  • 江戸時代:町屋や武家屋敷では、雨戸や格子窓が多用される。
  • 明治~昭和初期:ガラスの普及により、木枠の窓にガラスをはめ込んだ建具が登場。

木製建具は、日本の気候(高温多湿)に適していましたが、耐久性の低さやメンテナンスの手間が課題でした。特に、木材の伸縮や腐食、シロアリ被害が問題視されるようになり、より耐久性のある素材の開発が求められました。


2. アルミサッシの誕生と普及の背景

① 戦後復興と新素材の登場(1950年代)

第二次世界大戦後、日本は高度経済成長期に入り、都市部を中心に鉄筋コンクリート(RC)造のビルや住宅が増加しました。この新しい建築スタイルに対応するため、木製サッシに代わる新素材が求められるようになります。

この時期、アメリカではすでにアルミニウムを建築材料として活用する技術が確立されており、日本にもその流れが入ってきました。1950年代後半には、日本国内でもアルミサッシの製造が始まりました。

② 木製からスチールサッシ、そしてアルミサッシへ(1960年代)

アルミサッシが普及する前、日本ではスチール(鉄)製のサッシが一般的でした。スチールサッシは、木製に比べて強度が高く、耐火性に優れていましたが、錆びやすいという欠点がありました。

そのため、スチールサッシの代替として、錆びに強く、軽量で加工しやすいアルミサッシが注目され、1960年代以降、急速に普及していきます。

③ 高度経済成長とアルミサッシの本格的な普及(1970年代)

1970年代には、日本の住宅市場でアルミサッシが標準的な窓枠として定着しました。

  • 理由1:生産コストの低下 → アルミの精錬技術が向上し、大量生産が可能に。
  • 理由2:耐久性の向上 → 表面処理技術(アルマイト処理)が進化し、耐候性が向上。
  • 理由3:住宅需要の増加 → 高度経済成長期のマンション・戸建て住宅の建築ラッシュに伴い、大量の窓枠が必要に。

この時期、日本の気候に適したアルミサッシの開発が進み、断熱性能や防音性能が向上した製品が登場しました。


3. アルミサッシ加工技術の進化

① 押出成形技術の発展

アルミサッシの製造には、押出成形(エクストルージョン)という技術が用いられます。これは、加熱したアルミ合金を金型に押し出し、希望の形状に成形する方法です。

押出成形技術の進化により、

  • 高精度な断面形状が可能になり、気密性・断熱性が向上。
  • 軽量かつ強度の高い設計が可能になり、大型の窓やスリムなフレームが実現。

② 表面処理技術の進化

アルミサッシの表面には、アルマイト処理(陽極酸化処理)が施され、耐食性・耐候性が向上しました。

さらに、カラーアルマイトや粉体塗装技術の発展により、従来のシルバー色だけでなく、ブラック、ブロンズ、ホワイトなどの多彩な色のサッシが作られるようになりました。

③ 断熱性能の向上

アルミは熱伝導率が高いため、冬場に窓の周りが冷たくなりやすいという課題がありました。そのため、近年では「樹脂複合サッシ」「熱遮断構造(サーマルブレイク)」を採用した製品が増えています。

  • 樹脂複合サッシ:アルミと樹脂を組み合わせ、断熱性能を向上。
  • サーマルブレイク構造:アルミフレーム内部に樹脂を挟み込み、熱の伝わりを防ぐ。

これにより、省エネ性能が向上し、冬場の結露を防ぐ効果も得られるようになりました。


4. 現代のアルミサッシと未来への展望

① 省エネ・環境配慮型のアルミサッシ

近年、SDGsや環境問題への対応として、エネルギー効率の高い「高断熱アルミサッシ」が求められています。

  • Low-Eガラスとの組み合わせ → 紫外線カットや断熱性能の向上。
  • リサイクルアルミの活用 → 環境負荷を軽減するため、再生アルミを使用。
  • スマート窓技術の導入 → 自動調光ガラスや電動シャッターと連携した高機能サッシの開発。

② 建築デザインの多様化とアルミサッシの進化

近年の住宅やビル建築では、デザイン性の高いスリムフレームサッシや、ガラス張りの外観を実現するカーテンウォールが増えています。

これに対応するため、以下のような新技術が登場しています。

  • 超薄型フレームのアルミサッシ(視界を広くするデザイン)。
  • 防火・防音性能を強化した高性能サッシ(都市部の高層ビル向け)。
  • AI・IoT対応のスマートサッシ(自動換気や遮熱機能を持つ)。

5. まとめ|アルミサッシは日本の建築を支える重要技術

木製建具からスチールサッシ、そしてアルミサッシへと進化
押出成形・表面処理・断熱技術の発展により、性能向上
省エネ・デザイン性・スマート化に対応した未来のアルミサッシ

アルミサッシは、時代の変化とともに進化し続け、日本の建築を支える重要な技術となっています。今後も環境配慮やデザインの進化を取り入れながら、さらなる発展が期待されます。

 

 

 

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